国際学会に向けた英語準備
はじめての国際学会。多くの人が「発表の英語」ばかりを心配しますが、実際に困るのは発表以外の場面——会場でどの受付に行けばいいかわからない、休憩時間に話しかけられて固まる、といった細かい瞬間です。準備の的を「発表の完璧さ」だけに絞ると、こうした場面で足をすくわれます。この記事では、発表前後を含めた「学会全体を切り抜ける」ための英語準備を、場面別に整理します。
01準備のゴールは「完璧」より「切り抜ける」
ネイティブのように話す必要はありません。国際学会に集まる医療者・研究者の多くは英語が母語ではなく、お互い「通じればいい」という前提で話しています。目指すのは、各場面で最低限の一言が口から出る状態。準備の量を欲張るより、使う場面を絞って、その場面のフレーズを声に出して覚えておくほうが本番で効きます。
ゴールは「流暢さ」ではなく「切り抜ける力」。場面を絞り、そこで使う一言を確実に用意しておく。
02会場で迷わないための英語 ― 受付・登録・案内
意外と盲点なのが、会場に着いてからの導線です。海外の学会では案内看板もアナウンスもすべて英語で、「どの受付に並べばいいのか」「名札はどこで受け取るのか」がわからず立ち止まってしまうことがあります。そんなときは、黙って探し回るより、近くのスタッフに一言たずねるのが一番の近道です。次のフレーズを用意しておきましょう。
「聞くのは恥ずかしい」と思って黙って探し回るより、一言たずねたほうが早く、印象も良いです。道をたずねる英語は、旅行でも学会でもそのまま使える一生モノの準備です。
03発表・ポスターの直前準備
発表そのものはスライドと原稿を作り込めますが、当日その場で必要になるのは「短い自己紹介」と「一言で研究を説明する文」です。ポスター発表なら、立ち寄った人にまず一言で概要を伝えられると、会話がぐっとスムーズになります。
質疑応答(Q&A)は場面ごとに型が決まっているので、別記事にまとめました。発表を控えている方は、あわせて準備しておくと安心です。
スライドだけでなく「30秒の自己紹介」と「1文サマリー」を口に出せるようにしておく。それだけで発表前後の会話が回り出す。
04雑談・ネットワーキングの仕込み
学会の醍醐味は、休憩時間やレセプションでの交流です。とはいえ、いきなり流暢に雑談できる人はいません。大事なのは「話しかけるきっかけの一言」と「話を続ける質問」を1つずつ持っておくこと。相手の発表やポスターを話題にすれば、自然に会話が始まります。
逆に、自分の発表を「興味深いね」と褒められたとき、Thank you で会話が止まってしまいがちです。そこで一つ質問を返せると会話が続きます。この「続け方」は実践編の記事でくわしく紹介しています。
05出発前チェックリスト
最後に、出発前に声に出して確認しておきたい準備をまとめます。すべてを完璧にする必要はありません。「この場面ならこの一言」が結びついていれば十分です。
- 受付・道案内をたずねる一言(第2章)を3回音読した
- 30秒の自己紹介と、研究の1文サマリーが言える
- 質疑応答の受け答えフレーズを一通り確認した
- 話しかける一言+話を続ける質問を1つずつ用意した
- 困ったら "Sorry, could you say that again?"(もう一度お願いできますか)で聞き返せる
準備は「完璧な英語」ではなく「切り抜ける英語」で十分です。場面ごとの一言を持って、あとは現地で使ってみましょう。使えば使うほど、次はもっと言えるようになります。
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