理学療法

リハビリの動作指示・評価の英語 実践編 — 現場の流れで覚える

公開 · Hiyu Lab

単語やフレーズを個別に覚えても、実際のセッションでは「次に何と言えばいいか」が出てきません。この記事では、外国人患者さんのリハビリを1回のセッションの流れ——評価の導入 → 動作の指示 → 痛みの確認 → 終了時の説明——に沿って、現役の理学療法士が実践的な英語で解説します。基本表現20選の記事の続編として、より現場寄りの内容です。

運営メンバーにも、病棟で外国人患者さんの下腿周囲長を測ろうとして説明の英語が出てこず、メジャーを見せてアイコンタクトだけで、なかば急に計測する形になってしまった経験があります。伝わったからよかったものの、「これから何をするか」を一言も伝えられないまま体に触れるのは、本来避けたい進め方でした。

01セッションの流れと英語の対応関係

1回のセッションで使う英語は、実は下の4ブロックに集約されます。ブロックごとに「型」を持っておくと、患者さんが変わっても応用が利きます。

① 評価の導入 今日やることを伝える "Let me check how your knee moves." ② 動作の指示 動きを1つずつ言葉にする "Bend your knee slowly." ③ 痛み・状態の確認 動作のたびに安全確認 "Tell me if it hurts." ④ 終了時の説明 今日の評価と次回の予告 "You did well today."
セッションの4ブロックと代表フレーズ(Hiyu Lab作成)

02評価の導入 — これから何をするか伝える

Let me check how your knee moves today.
今日は膝の動きを確認させてください。
I'm going to touch your leg. Is that OK?
脚に触れますね。よろしいですか?
Please lie on your back.
仰向けに寝てください。
Relax — I'll move your leg for you.
力を抜いてください。私が脚を動かします。

他動運動の前の Relax と、触れる前の Is that OK? は、信頼関係のためにも安全のためにも省略しないことをおすすめします。

03動作の指示 — 「動き+速さ・程度」で組み立てる

動作指示の英語は「動詞+部位」に「速さ・程度」を足すだけで、かなりの場面をカバーできます。

Bend your knee slowly.
膝をゆっくり曲げてください。
Lift your leg a little higher.
脚をもう少し高く上げてください。
Push against my hand as hard as you can.
私の手をできるだけ強く押してください。
Hold this position for five seconds.
この姿勢を5秒間保ってください。
Stand up slowly, holding the rail.
手すりにつかまって、ゆっくり立ち上がってください。

速さ・程度の修飾は slowly / a little / as hard as you can / one more time の4つを覚えるだけでも、指示の解像度が大きく上がります。

04痛み・状態の確認 — 動作のたびに挟む

Tell me if it hurts.
痛かったら教えてください。
On a scale of zero to ten, how bad is the pain?
0から10でいうと、痛みはどのくらいですか?
Do you feel dizzy?
めまいはしますか?
Let's take a short break.
少し休憩しましょう。

NRS(0〜10の痛みスケール)は英語圏でも標準的なので、zero to ten の聞き方はそのまま通じます。表情が険しいときは数字を待たずに休憩を入れるのは、日本語のセッションと同じです。

05終了時の説明 — 今日の評価と次回へのつなぎ

You did well today.
今日はよく頑張りましたね。
Your knee is moving better than last week.
先週より膝の動きが良くなっています。
Please do this exercise twice a day at home.
この運動を家で1日2回行ってください。
See you next Tuesday.
また来週の火曜日に。

ホームエクササイズの指示は、回数・頻度を必ず数字で伝え、できればメモも渡します。twice a day(1日2回)、ten times each(各10回)のような表現をセットで覚えておくと便利です。

06ジェスチャーとデモンストレーションを堂々と使う

理学療法士には、他の職種にはない強力な伝達手段があります。自分の体で見せられることです。

Watch me first.
まず私がやってみますね。
Like this.
こんなふうに。
Now you try.
では、やってみましょう。

「英語で全部説明しなければ」と思う必要はありません。Watch me first. — Like this. — Now you try. の3点セットとデモンストレーションを組み合わせれば、複雑な動作も伝えられます。英語はその補助線と考えると、セッションの心理的な負担がぐっと軽くなります。

この記事のまとめ

セッションを4ブロックに分け、各ブロックの「入り口フレーズ」を覚える。動作指示は「動詞+部位+速さ・程度」で組み立てる。伝わらないときはデモンストレーションを堂々と使う。この3つで、外国人患者さんのセッションはかなり乗り切れます。

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Hiyu Lab 運営チーム

現役の理学療法士と管理栄養士の2名。臨床現場の感覚で「本当に使う医療英語」のアプリと記事を制作しています。運営について / コンテンツ制作・編集方針

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