臨床栄養

NST・多職種カンファレンスで使う英語 — 報告・提案・質問の型

公開 · Hiyu Lab

NST(栄養サポートチーム)の活動では、英語文献の用語がそのまま飛び交います。GLIM基準、refeeding syndrome、permissive underfeeding——。さらに、外国人スタッフや留学中の医師が加わるカンファレンスでは、報告や提案そのものを英語で行う場面もあります。この記事では、NST・多職種カンファレンスの英語を「報告」「提案」「質問」の3つの型に整理して紹介します。

運営メンバー(管理栄養士)は以前、「この病院ではどの栄養評価ツールを使っていますか?」と英語で聞かれて、答えられなかったことがあります。毎日使っているツールで、日本語なら1秒で答えられる質問です。知識はあるのに英語の型がない——このギャップこそが、カンファレンス英語の壁だと実感しました。

① 報告 数字を主語にする "His intake has dropped to 30%." ② 提案 suggest から始める "I suggest starting EN." ③ 質問 相手の視点を借りる "From a nursing perspective, ..." カンファレンス発言のほとんどは、この3つの型に収まる
カンファレンス英語の3つの型(Hiyu Lab作成)

01まず押さえる — NST頻出の英語用語

カンファレンスで頻出する用語は、読めるだけでなく「音」で覚えておくと、会話の中で登場したとき即座に反応できます。

02型1:状態を報告する — 数字を主語にする

栄養状態の報告は、数字を主語にすると英語が組み立てやすくなります。

His food intake has dropped to about 30 percent.
食事摂取量は約3割まで低下しています。
She has lost 4 kilograms over the past two months.
この2か月で4kgの体重減少があります。
His albumin is 2.8, down from 3.5 on admission.
アルブミンは入院時の3.5から2.8に低下しています。
She meets the GLIM criteria for moderate malnutrition.
GLIM基準で中等度低栄養に該当します。

「摂取量・体重・検査値・基準への該当」の4点を順に言えば、栄養状態の報告はほぼ完成します。日本語のカンファレンスで話している内容と、実は同じ順番です。

03型2:栄養プランを提案する — suggest と recommend の使い分け

I suggest starting enteral nutrition at 20 ml per hour.
経腸栄養を20ml/時から開始することを提案します。
We should increase his protein intake to 1.2 grams per kilogram.
たんぱく質摂取量を1.2g/kgまで増やすべきだと思います。
Given the risk of refeeding syndrome, let's start slowly.
リフィーディング症候群のリスクを考えて、少量から始めましょう。
How about switching to a high-protein formula?
高たんぱく製剤への変更はどうでしょうか?

提案の強さは How about 〜?(軽い提案)→ I suggest 〜(提案)→ We should 〜(強めの推奨)の順で上がります。多職種の場では、まず suggest で出して、議論の中で強めていくのが進めやすい流れです。

04型3:他職種に質問する — 職種の視点を借りる

NSTの価値は多職種の視点です。英語でも、相手の専門性に敬意を払う聞き方の型があります。

From a nursing perspective, how is he doing with meals?
看護の視点から見て、食事の様子はいかがですか?
Doctor, is there any plan to adjust his fluids?
先生、輸液を調整する予定はありますか?
Could the swallowing team evaluate him before we upgrade his diet?
食形態を上げる前に、嚥下チームの評価をお願いできますか?

ちなみに、冒頭で紹介した「どの栄養評価ツールを使っていますか?」への答えも、この型で作れます。We use the GLIM criteria for nutritional assessment.(栄養評価にはGLIM基準を使っています)——次に聞かれたときのために、自施設で使っているツール名を主語にした1文を準備しておくのがおすすめです。

05英語文献をカンファで引用する言い回し

NSTでは「ガイドラインではこうなっている」「最近の論文でこういう報告がある」という発言に説得力があります。英語文献を根拠として示すときの定型です。

According to the ESPEN guidelines, ...
ESPENガイドラインによると、〜
A recent study reported that early enteral nutrition reduced complications.
最近の研究では、早期経腸栄養が合併症を減らしたと報告されています。
The evidence is still limited, but ...
エビデンスはまだ限られていますが、〜

3つ目のように「エビデンスの限界」を添える言い方を知っていると、断定しすぎない誠実な発言ができます。これは日本語のカンファレンスでも同じですね。

この記事のまとめ

NST・カンファレンスの英語は「報告(数字を主語に)」「提案(suggestから始める)」「質問(相手の視点を借りる)」の3つの型で組み立てられます。まずは自分が毎週報告している患者さんの状態を、型1の4点セットで英作文してみるのが実践的な第一歩です。

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Hiyu Lab 運営チーム

現役の理学療法士と管理栄養士の2名。臨床現場の感覚で「本当に使う医療英語」のアプリと記事を制作しています。運営について / コンテンツ制作・編集方針

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