外国人患者への栄養指導で使える英語 実践会話例
栄養指導の英語がむずかしいのは、専門用語のせいだけではありません。相手の食習慣を聞き取り、生活に合わせて提案し、理解を確認する——会話のキャッチボールそのものが指導の中身だからです。この記事では、外国人患者さんへの栄養指導を「導入 → 聞き取り → 説明 → 確認」の4パートに分け、現役の管理栄養士が実践的な会話例で解説します。
運営メンバー(管理栄養士)が初めて英語で栄養指導に入ったとき、最初につまずいたのは専門用語ではなく、「普段、まず何を食べているか」といういちばん最初の質問でした。聞き取りの入り口が開かないと、その先の指導は何も始まりません。この記事の会話例は、その悔しさから整理したものです。
01指導の流れを英語で組み立てる
栄養指導の会話は、順番が決まっているほど楽になります。下の図のように、4つのパートごとに「決まり文句」を持っておくと、途中で頭が真っ白になっても次のパートの入り口フレーズで立て直せます。
02導入 — 目的を伝えて安心してもらう
最初の1分で「何をする時間なのか」を共有できると、その後の聞き取りがスムーズになります。
ポイントは、正しさより安心感です。「評価されている」と感じさせると、実際の食習慣を話してもらえなくなります。
03聞き取り — 食習慣を具体的に知る
聞き取りでは、オープンな質問と具体的な質問を組み合わせます。
最後の質問は、外国人患者さんの栄養指導では特に大切です。ハラルやベジタリアンなど食文化の背景を先に確認しておくと、後の提案が的外れになりません。
実際にあった例では、中国出身の高齢の患者さんが中華料理以外をほとんど召し上がれないことが後から分かり、病院食の調整が必要になりました。食習慣は「何が食べられないか」だけでなく、「何なら食べ慣れているか」まで聞けると、提供できる選択肢が大きく変わります。
04説明 — 疾患別によく使う表現
糖尿病の食事療法
減塩指導
体重・食欲の管理
「禁止」ではなく「提案」の形にすると伝わりやすくなります。Don't eat 〜 より Let's try 〜 / How about 〜?。これは日本語の指導と同じで、英語でも患者さんの行動変容を支える言い方を選びます。
05確認 — 伝わったかを確かめて締める
ティーチバック(患者さん自身に言い直してもらう確認法)は英語でも有効です。What will you try? と聞くだけで、伝わっていない部分がはっきりします。
06伝わらないときの立て直し方
完璧な英語より、伝わる英語です。詰まったときの定番の立て直しフレーズを2つだけ覚えておきましょう。
数字・食品名・回数は、口頭だけでなくメモで渡すと誤解が減ります。イラスト付きの食品リストを準備しておくのも実用的です。
運営メンバーは、言葉だけでどうしても伝わらなかったとき、iPhoneで食品や商品を検索して画像を見せる方法で乗り切ったことがあります。原始的に見えますが、食べ物は「見せる」が最速のことも多く、言い換え・筆談と並ぶ立派な選択肢です。
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